和種馬とは

日本人とともに歩み、日本の歴史を駆け抜けてきた 日本固有の馬の総称。日本在来馬。

語り継がれる和種馬

寿永3年(1184)宇治川の合戦で佐々木高綱の乗った馬は、馬でも人でも噛みついてそばに寄せ付けないため、生食(いけづき)と名付けられた名馬でした。「平家物語」によると、黒栗毛の肥え太ったたくましい馬で、八寸の馬と聞こえていたとのこと。
逸話を読むと、筋骨たくましい巨大な馬を連想しますが、実は体高は八寸、つまり4尺8寸(約145センチ)。物語中にはこれ以上大きい馬が登場しないことから、合戦に使用する馬としては当時において最大級の体高と考えられます。現在、競馬などでみられる競走馬(サラブレッド:160cm程度)と比較すると、小型であったことがわかります。

「三日月」「黒雲」「内記黒」「鏡栗毛」に「膝突栗毛」・・・合戦や武将と馬に関する逸話は、各種軍記物を紐解けば、数多くの記述を見つけることができます。「名将に名馬あり」といわれるように、人と馬は文字通り「人馬一体」となって、歴史上において大きな役割を果たしてきました。

生食
和種馬の親子

和種馬の能力

古くから、日本の気候風土と日本人の生活になじみ暮らしてきた和種馬は、小柄ながらも、丈夫で扱いやすく、日本人が乗るのに最適な体格と、太く丈夫な肢、学習と経験を積むことでより多くの仕事をこなす適応力や判断力など、優れた特性を有しています。
2019年の走行検証では、トレーニングした和種馬が、甲冑をつけた男性(総重量90kg)を乗せた状態で直線距離200mを襲歩で走り、53km/hの速度を記録しました。

和種馬の身体的特徴(乗系の場合)

・体高(鬐甲の高さ):130-145cm
※右資料は、馬の大きさが分かりやすいように180cmの男性が、140cmの棒を持ち撮影しています

・蹄が強く、頑丈な肢。関節は太い

・首が短め、胸幅が大きい

・被毛は系統としては地域の特色が出る(例:木曽系は鹿毛が主)が、先祖帰りして特殊な被毛が出現することもある

・成長の期間が長く、馬体として完成するのは7-8歳

目指す和種馬の方向性

和種馬を後世に残し、活用していくために、精神的、能力的に安定した和種馬を継続的に生産・育成し、乗馬を楽しむことができるような文化を醸成していきたいと考えています。

現在、和種馬(日本在来馬)としては8種残存しますが、特定の種を保存するのではなく、有効な種を中心にその特性が生きるような繁殖を行い、有用な乗用馬として残していこうという取組みを行っています。

和種馬の未来

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