和式馬術
小さな馬のサムライ馬術。その極意は「立ち透かし」にある
和式馬術とは
130-145cmの小さい馬の合理性を引き出し、乗用馬として扱うための乗馬技術。
重い甲冑を着た武者が乗っても馬の体力を消耗させず、戦闘で使用できるように進化しました。馬の肩甲骨や背中の動きを阻害しないため、高い運動能力を発揮できます。
基本の乗り方
和種馬に乗るための基本に「居鞍乗り」があります。居鞍乗りは、馬に負担にならないような乗り方。一方で戦闘時には、より効率的に上体を使うために「立ち透かし」という乗り方にシフトします。鐙に体重をかけて、お尻を軽く浮かせた状態で背中を伸ばすことで、馬上での姿勢が安定し、攻撃(流鏑馬や馬上武芸)が可能になります。
和式馬術を体験してみたいという方は、是非「和式馬術講習会」にご参加ください!
【YouTube】和式馬術を通じて創る和種馬の未来
こちらはNPO法人 日本和種馬文化研究協会が、古来から存在する和式馬術を通じて、日本の在来馬の存在、そして技術を後世に残していく為の取り組みを紹介した動画です。 2021年から協力牧場で和式馬術の講習会、そして競技会を開催し、さらには和式馬術を応用した『馬上舞』・『馬上武芸』へと拡がりを伸ばしています。 西洋馬術が入る前から存在していた日本独自の乗馬法を当法人で検証し、そして参加者の方に体験していただき、そしてスポーツという形で楽しんでいただくこと。様々な形で和種馬と関り、その文化に触れる機会を増やしていく事を使命にこれからも活動を続けていきたいと思います。
和式馬術の応用
練度に応じて、以下のような演武・技に挑戦することができます。
和式馬場
古くは「庭乗り」と呼ばれ、殿様に己の馬と乗馬技術を披露するもの。和種馬で決められたエリア内で経路を回り評価する。
馬上武芸
馬上で薙刀や長槍を持った状態で、思うままに和種馬を動かす技術。
流鏑馬
直線走路を疾走する馬に乗り鏑矢で的を射る技術。正式な神事・催事においては箙、行縢を装着し、3的を射る。
一方で、流鏑馬神事をスポーツとして捉え、誰でも挑戦できるようにした「スポーツ流鏑馬」も。和種馬、和弓を用い、2ないし3的を狙い点数を競う。
真横の的だけではなく、右手前方を狙う「追物射(おものい)」後方の敵を射る「押捩(おしもじり)」左下の獲物を狙う「馬手下(めてした)」など四方を射るための技がある。
和式競馬
「くらべうま」と呼称する。和種馬、和式馬具を用いて、150m前後を襲歩で疾走し、マッチレースを行う。
馬上舞
鈴や扇などを携え、和式馬術の基本に則り馬と技術を魅せる。
遠乗り
和式馬術で馬の消耗を防ぎながら、30km程度の距離を走行することで、乗馬技術を研磨していく。エンデュランスの大会への参加も可。